前回は、ドライクリーニングについてお話をしました
今回は、ワイシャツのクリーニングについてお話です
クリーニングのお話の前にワイシャツ
とカッターシャツの違いについてご存じですか?
実はこの二つに製品的な違いは全くありません。
カッターシャツは、西日本だけで使われている言葉で
東日本の方々には馴染みなく通じないこともあります
アンボメーは大阪の会社ですので社内は関西弁が標準
ですので通じますが・・・(笑)
  
ワイシャツの洗濯ってアイロン仕上をしなくてはなら
ないので一番手間が掛かりますよね
ノーアイロンのワイシャツも多く見掛けますが、アイ
ロン掛けした洗濯物と比べると、やはり仕上がりは見
劣ってしまいます

毎回クリーニングに出したワイシャツと、毎回ご家庭
で洗濯したワイシャツを半年後に比べると、ご家庭で
洗濯したワイシャツは白冴えが無くなり襟垢汚れが多
く残っています。これが汚れの首輪です

理由は簡単! 洗浄不足が一番の理由
それを解消させるのがワイシャツクリーニング
   
クリーニングと家庭洗濯との大きな6つの違い
1,洗濯には熱いお湯(60℃前後)を使って洗います
 ・熱いお湯は繊維を膨潤させ洗剤を浸透させます
 ・お湯は洗剤のほか漂白剤や酵素にも効果的です
2,使用する洗剤はアルカリ性が強い粉末洗剤を使用
 ・強いアルカリによって油脂汚れを分解させます
3,酸素系漂白剤を併用し強力にシミを落とします
 ・発生した酸素が繊維の芯まで漂白洗浄します 
4,酵素を併用し襟垢汚れを強力に落とします
 ・酵素がタンパク質や脂の汚れを分解します
 ※市販洗剤にも漂白剤や酵素を含んだ洗剤は数多く
  ありま
すが、プロ仕様は配合量が多くて強力!
5,すすぎは多量の水を使って十分にすすぎます
 ・すすぎで剥がれた汚れを残さず洗い流します
6,仕上げに糊剤を使用してパリッと仕上げます
 ・カウス・襟の先までシワなく形状を保ちます
  
ワイシャツクリーニングの工程
(1)検品
 ・破れやボタン落ちの有無、ポケット内の確認
 ・白物と色物の区別、素材の確認
(2)前処理
 ・シミの確認、襟垢汚れに酵素剤の塗布など
(3)洗濯~糊付け
 ・業務用の洗濯機で洗濯

   洗濯時間は20分前後
    すすぎは3分を2~3回
    糊付けは3~5分
    脱水は5~10分 
(4)仕上げ
 ・ワイシャツの仕上げは濡れ掛けが基本
  洗ったワイシャツは乾かさず濡れたままプレス
  プレスの熱で洗濯物を乾かし糊を立てます

    三ツ山仕上機
    襟とカウスを仕上げます

   ボディプレス機
   胴体と袖を仕上げます
    
(5)包装してお返し

   立体仕上げはハンガー吊り
   折畳み仕上げは折り畳んで
   お客さまにお返し
      
以上がワイシャツクリーニングの洗濯工程でした
ご家庭で洗っておられるワイシャツも、たまには
クリーニングに出してリフレッシュさせてみては
いかがでしょうか?
 
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~編集~ 
クリーニング師
繊維製品品質管理士(TES)
芝田 豊治