みなさんは普段、洗濯洗剤をどのように選んでいますか? 実は洗剤にはそれぞれ得意な汚れや使い方があり、その特性に合わせて使用しなければ、パワーを十分に発揮できません。そこで今回のテーマは、洗濯洗剤の力を最大限に活かすための使い方についてです。
  

家庭用の洗濯洗剤は、弱・中・強の3種類に大きく分かれています。

 
(1) デリケートな服を洗うためのおしゃれ着用液体洗剤(中性)
(2) 普段使いの液体洗剤(弱アルカリ性/中性)
(3) 汚れをしっかり落とす粉末洗剤(弱アルカリ性)
    
洗浄力は(1)<(2)<(3)の順に強くなります。ほとんどの洗剤は「弱アルカリ性」か「中性」で、弱アルカリ性は中性に比べて洗浄力が高く、皮脂汚れやタンパク質汚れを良く落とします。中性は弱アルカリ性に比べて衣類にかかる負担が少なく衣類を優しく洗います。(2)においては、消臭や抗菌機能を付与したり濃縮タイプにして使用量を減らしたタイプも多く見られます。因みに「ジェルボール」は(2)に含まれます。
 
衣類を派手に汚すことがないご家庭では、(1)と(2)があれば事足りますが、食べこぼしをしやすい小さなお子さまや、活動活発な年代のお子さまがおられて、皮脂汚れ・泥汚れが多く付いた洗濯物が多いご家庭は、(1)と(2)に加えて、タンパク質汚れや皮脂汚れ・泥汚れに効果的な(3)の粉末洗剤を使って、洗濯物によって洗剤を使い分けることをおすすめします。
 
アンボメーの液体洗剤「Lessive」は、おしゃれ着用洗剤の優しさはそのままに高機能活性剤にピュアミールの配合と共に、あらゆる汚れに効果を発揮するブリリアント酵素までを配合したプロ仕様の洗剤ですので「Lessive」があれば中性でありながら、(1)と(2)に1本で対応します。
 
アンボメーの強力消臭粉末洗剤「Lessive en poudre」は、高性能界面活性剤が頑固な汚れをすっきり落とし配合成分から発生する活性酸素の分解作用で、気になるニオイはもちろん、ニオイ戻りの元であるバイオフィルムまで分解洗浄し強力な消臭効果を発揮します。頑固な汚れとニオイに困っている方々に、ぜひ使っていただきたい洗剤です。
『LESSIVE』「Lessive en poudre」の2製品があれば、(1)と(2)と(3)に対応します。
 

使用時は規定量を守る&「つけ置き」や「直塗り」を活用
 

洗剤は、汚れ具合や素材に合わせて使いこなすだけ。ポイントは、「規定量を守る」ことと「事前の処理も組み合わせる」ことです。
「ニオイや汚れをすっきり落としたい」と、つい規定量よりも多く洗剤を使用してしまう方 がおられますが、水の量に対して洗剤が溶ける量は、飽和量によって決まっています。溶ける量よりも多く洗剤を入れてしまうとすすぎ回数が不足となり、すすぎ不足によって洗剤が衣類に溶け残り、人によってはかゆみなど肌トラブルの元になることがあります。
また、柔軟剤をご使用される場合は、すすぎ不足によって残留した洗剤分が柔軟成分を阻害し、本来の柔軟性や香りが不足するケースもあります。
ガンコな汚れは洗濯機だけで落とそうとせず、「つけ置き」や「洗剤の直塗り」といった前処理を組み合わせると非常に効果的です。
 
「つけ置き」
ぬるま湯(40℃~50℃)に洗剤を溶かし、20分程度つけ込みをしてください。その後、通常の方法で洗濯すればOKです。この時の洗剤の量は種類によって多少上下しますが、お湯1Lに対して小さじ1杯ほどで大丈夫です。使用する洗剤は洗濯物によって (2) もしくは (3) から選択して下さい。
 
「直塗り」
靴下やワイシャツの衿袖汚れ、食べこぼし汚れなどに、直接洗剤を付けて落とす方法です。「直塗り」後、そのまま洗濯機に入れるだけなので簡単。筆者は百円均一で購入した100cc容量のスプレー容器を活用し、スプレー直塗りしています。

※ 洗剤は水などで薄めると配合成分のバランスが崩れて製品安定性が悪くなります。直塗りする場合は原液で行って下さい。もし、薄めて使用する場合は残った洗剤液はその洗濯で使い切って下さい。

 
柔軟剤の正しい使い方

  
最後に、柔軟剤の使い方についてです。柔軟剤は必ずしも使用する必要はありませんが、使用することでふんわりと柔らかく仕上がるのはもちろん、静電気を防止して花粉やホコリを寄せ付けにくくするというメリットもあります。また、洗濯中や仕上がった衣類でいい香りを楽しむことも出来ます。
 

柔軟剤の香りや効果を残しやすくするには?

 
すすぎは2回して下さい。注水すすぎの使用は水量過多となるので避けて下さい。脱水が長すぎると柔軟剤の香りが飛びやすくなりますので、脱水は3分以下、薄手のものなら1分以下がおすすめです。また、乾燥機を使用すると熱や摩擦で香りが飛んでしまうので、なるべく乾燥機使用は控えましょう。天日干しよりも室内干しのほうが、香りが残りやすいです。
※ ここでの乾燥機はタンブラー乾燥機のことです。浴室乾燥や洗濯機での送風乾燥は含みません。
 

「柔軟剤入り」の洗剤にも、柔軟剤は必要?

 
柔軟剤入りの洗剤に「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩」という界面活性剤が含まれていたら、別途柔軟剤を使用することをおすすめします。 それは、「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩」は洗ったあと静電気を発生させやすいためです。
 
今回ご紹介した「つけ置き」や「洗剤の直塗り」は、少しの手間でぐっと洗い上がりに差が出る便利なワザです。ぜひ毎日の洗濯に取り入れてみてください。洗剤を正しく選びつつ、少しの手間を惜しまないことが、服を傷めずキレイに仕上げるコツです。
 
~編集~ 
クリーニング師
繊維製品品質管理士(TES)
芝田 豊治