夏の花火大会やお祭りで着た浴衣は、家庭で洗濯することができます。夏は汗をかくので、浴衣を洗濯しないで収納してしまうとカビや変色の原因となってしまいます。最近は、洗濯機で洗える浴衣が多くなってきました。そこで浴衣の家庭での洗濯方法についての豆知識です。洗濯方法が分からなくてクリーニング店に出す方も多いと思いますが、ポイントさえ押さえれば浴衣の洗濯はそんなに難しくありません。

  
(1) 浴衣の洗濯表示を確認する

浴衣の「洗濯表示(絵表示)」に水洗いできるマークがあるか確認します。水の温度設定も見落とさずに、表示にしたがって取り扱いましょう。
 
家庭洗濯ができる浴衣についている洗濯表示マーク

洗濯できない浴衣についている洗濯表示マーク


このマークが付いていれば家庭洗濯をせずに、クリーニングに出しましょう。

 
(2) 念のため色落ちするかチェックする

濃色・柄物の浴衣は、洗濯をする前に色落ちがしないかチェックします。もし、色落ちすると他の洗濯物に色移りしてしまったり、浴衣の白い部分にまで色が移ってしまったりします。
色落ちのチェック方法は、目立たない端の染色部分に水をたらします。そして、色がついても良い布で水で濡らした部分を軽くたたきます。布のほうに色がついてきたら、色落ちするサインですので自宅での洗濯ではなく、クリーニングに出しましょう。
 

(3) 浴衣についた目立つ汚れは、前処理しておく

ファンデーションや日焼けどめが首の部分についてしまったり、食べ物や飲み物が浴衣にこぼれてしまうケースもあります。また、浴衣のスソの部分は土ぼこりで汚れているものです。このような汚れは先に洗濯用の中性液体洗剤『LESSIVE』を汚れ部分に直塗りしてから洗います。
  

(4) 洗う前に浴衣をたたむ

生地の傷みや型崩れ、余計なシワを防ぐために、浴衣はたたんで洗います。

 

インターネットで「浴衣」「たたみ方」で検索してください。写真や、動画で分かりやすく説明しているサイトもあるので参考にしてください。
 

(5) 浴衣を洗う

洗濯機の場合
(a) 折りたたんだ浴衣を洗濯ネットに入れます。
浴衣を入れるネットはできればジャストサイズのものを準備しましょう。ネットが大きすぎると、浴衣がネットの中で動いてたたんだ浴衣が崩れ、傷みや型崩れの原因になります。小さすぎると、浴衣の生地が余計に重なって均等に洗えません。

(b) 洗濯機に浴衣を入れたら「ドライコース」で洗います
・浴衣に使う洗剤は、中性液体洗剤『LESSIVE』がベストでお勧めです。
 (洗剤使用量は、メーカー指示量に従ってください。)

手洗いの場合
・たらいや洗面台に洗濯表示の通り、メーカー指示量の中性液体洗剤を溶かします。
 (洗剤使用量はメーカーの指示量に従ってください。)
・たたんだ浴衣を入れて、やさしく押し洗いします。
・洗い終えたら洗濯ネットに入れて、一番弱い設定で1分程度脱水をします。
・新しい水を貯めて、優しく押し洗いしてすすぎます。
・最後に一番弱い設定で1分程度脱水します。
 
※ 弱アルカリ性洗剤や粉末洗剤は浴衣を傷めますので使用しないで下さい。
 

(6) 洗濯した浴衣の干し方

浴衣を干す時は「日かげ」で「袖と肩の部分をまっすぐ」にして干すことです。
日があたる場所で干してしまうと、直射日光でせっかくの浴衣が色があせてしまう場合があります。部屋干しするのも良いでしょう。扇風機や除湿機を使用すれば、部屋の中でも十分乾かすことができます。
まっすぐに干す方法で一番簡単なのは、物干し竿を袖に通すことです。
 

(7) 浴衣はアイロンを掛けてからしまう

浴衣をアイロン掛けする時は生地が薄いので、完全に乾いてからではなく生乾きの状態の時にアイロン掛けしてください。浴衣の上にて当て布を置いて、その上からアイロン掛けをする方が良いでしょう。乾いてしまうと取りづらくなるシワも、生乾きの時であればアイロンで伸ばすことができます。糊付けをする場合は、スプレー糊の使用が便利でお勧めです。
 
今年の夏を彩った浴衣は、スッキリ洗って来夏での出番に備えておきましょう。
  
~編集~ 
クリーニング師
繊維製品品質管理士(TES)
芝田 豊治