みなさん、こんにちは EMBAUMER です。

買ったばかりのタオルはふわふわしていたのに、何度も使ったり洗ったりしているうちにどんどんゴワゴワになって硬くなってしまいますよね。
 
身体や顔を拭くなら、やっぱりふわふわな柔らかいタオルがいいですよね。そこで、今回はタオルをふわふわな仕上がりにするための洗濯方法の豆知識です。
  
タオル生地の縦糸と横糸の間には、パイルというものがあります。これがきちんと立っている状態だと、タオルがふわふわした肌ざわりになって、水を多く吸ってくれるのです。

 
~パイルの拡大写真~

 
~タオルの断面図~

  
でも、何度も使って洗っていると、いつの間にかタオルがゴワゴワした状態になってしまいます。どうしてなのでしょうか?
 

タオルがゴワゴワになる要因

    
(1)洗濯時の洗剤残留による石鹸カスの付着によるもの
洗剤の溶け残りや濯ぎ残しは、石鹸カスとして繊維に付着します。石鹸カスは乾燥すると固まります。洗濯をするたびにそれが蓄積することで、タオルがゴワゴワになってしまうのです。冷たい水で粉末洗剤や粉末石鹸を使用の場合に多く見られます。
 
~対策案~
タオルを洗濯するときは、液体洗剤の使用がおすすめです。液体洗剤は石鹸カスを発生させにくい配合ですので、タオルの繊維に石鹸カスが蓄積せず、石鹸カスによるゴワゴワを解消させることができます。
アンボメーの『LESSIVE』(液体洗剤) のご使用をおすすめします。
液体洗剤

石鹸カスが残りやすい粉末洗剤(石鹸)を使うときは、事前に水と粉末洗剤(石鹸)を良く混ぜ溶かしてから使うか、35℃~55℃ぐらいのお湯を使って洗うのが効果的です。
 
(2)洗濯の方法が間違っている
タオル生地にダメージを与えることも、ゴワゴワになる原因の一つです。洗濯機の洗い時間と脱水時間を標準設定よりも長く変更したり、洗濯物を詰め込みすぎたりすると、摩擦と擦れが多くなりタオル生地やパイルがダメージを受けてしまいます。生地が目詰まりを起こしてしまったり、縮んで硬くなってしまいます。
また、柔軟剤を使用をせずに洗濯を繰り返すと、繊維の油分不足が発生し糸同士の摩擦と擦れが多くなり、タオル生地やパイルがダメージを受け縮んで硬くなってしまいます。
 
~対策案~
パイルや生地のダメージを防ぐために、洗濯機の設定や洗濯物の量などに注意してください。
・洗濯物は詰め込みすぎず、洗濯槽に少し余裕をもたせて入れる。
・洗剤は水位に対して規定量を守り、不足・入れすぎに注意してください。
・洗濯機の洗浄と脱水時間は変更せずに、標準設定通りに洗濯をする。
・柔軟剤をメーカー規定量通りに使用する。
アンボメーの『Assouplissant』(柔軟剤) おすすめです。レ・カランク
   
(3)パイルが寝たままで干している
脱水後、洗濯機から取り出したタオルをそのまま干すと、パイルが寝たまま乾いてしまいます。パイルが立っていない状態では、ボリュームがなく硬くゴワゴワした肌ざわりのタオルになります。

~対策案~
タオルを干すときは上から下へパンパンと振り下ろすようにタオルを大きく振ります。こうすることで、干す前にパイルが立ち上がり、乾燥後にタオルがふわふわになります。

 
(4)乾燥をし過ぎてる
タオルを直射日光で長時間干すと、水分が蒸発しすぎてしまい、繊維が硬くなります。特に夏場は要注意です。
  
~対策案~
・乾燥機を使用する場合
タオルをうっすら湿った状態になるまで干したら、仕上げに乾燥機を使いましょう。60℃で10分程度乾燥機にかけると、パイルが空気を含んで立ちあがり、ふわふわの仕上がりになります。乾かしながら空気を含ませることができるので、乾燥のしすぎも防げます。
ちなみに、脱水直後に乾燥機に入れると乾くまでに時間がかかり、光熱費を多く消費する事に加え、生地を傷める恐れがあります。また、タオルが完全に乾いた状態で乾燥機に入れてしまうと、乾燥のしすぎで生地が硬くなってしまう恐れがあるので注意してください。
・乾燥機を使用しない場合
直射日光を避けて風通りの良い場所に干し、その日の天気などに注意しながら他の洗濯物よりも早いタイミングで取りこむ必要があります。
 
(5)経年劣化によるもの
長期間に亘り何度も使用していると、パイルの糸が毛羽立ちによって瘦せて脱落してしまい、パイルのボリュームが無くなってゴワゴワとして硬くなってしまいます。
 
~対策案~

これは買い替えのサインです。新しいタオルと入れ替えて下さい。
 

タオルがゴワゴワになる原因と、ふわふわを保つ洗濯のコツをご紹介しました。
タオルがふわふわしているとは、「パイルが立っている」状態。洗濯の方法次第では、パイルが寝てしまったり、固くなってしまったりしてタオルがゴワゴワになってしまいます。
洗剤や洗濯機、乾燥機の使い方に気をつける、タオルを干す前によく振るなどのちょっとした工夫で、ふわふわな仕上がりになりますので、ぜひお試しください。
 
~編集~ 
クリーニング師
繊維製品品質管理士(TES)
芝田 豊治