12月に入り何かと外食の機会が増えるこの時期、食事の際にお気に入りの服に「とびはねシミ」や「食べこぼしシミ」を付けてしまった。そんな経験はありませんか? そこで今回は、そんな「シミ」をプロの技を活用して簡単に抜くシミ抜き手法をご紹介致します
 

1,「シミ」の種類

「シミ」は、抜きしやすい順に「水溶性」「油脂性」「不溶性」の3つに区分されます
今回は、「水溶性」「油脂性」のシミを抜く手法です。「不溶性」のシミに付いては、特殊な溶剤を用いてプロの技術が必要ですのでクリーニング店さんにお願いしましょう 
  
「水溶性のシミ」
醤油・ソース・血液・ビール・ワイン・お茶・コーヒー・ジュース・汗・ など 
 
「油脂性のシミ」
マヨネーズ・バター・マーガリン・食用油・オリーブオイル・ファンデーション など
 
「不溶性のシミ」
墨汁・マジック・ボーツペン・マニキュア・カビ など
 

2,「シミ」は付けたらすぐに抜く

「シミ」を付けたら直ぐに抜きましょう。時間が経過すると「シミ」はどんどん頑固になり抜きにくくなります
 

3,「シミ」を抜くための4要素

「シミ」は、漂白剤(洗剤)・アルカリ・温度・物理力の4要素の組合せによって抜きます
* 漂白剤(洗剤)は、「シミ」の汚れ成分を分解・溶解し繊維から剝がします
(今回は酸素系漂白剤液体タイプと粉末タイプを使用)
* アルカリは、繊維を膨潤させ、汚れに対する漂白剤(洗剤)の浸透力を高めます
(今回は酸素系漂白剤粉末タイプで代用します)
* 温度は、汚れを膨潤させ漂白剤(洗剤)の活性力を高めます
(今回はお湯(50~60℃)を使用)
* 物理力は、繊維から剥がれた汚れを取り除きます 
(今回は歯ブラシを使用) 
 

4,洗濯表示の確認

今回の「シミ」抜きでは、酸素系漂白剤を使用しますので次の洗濯表示が付いている衣料での「シミ」抜きは避けてください
  

染色が弱い衣料は色調が変わる場合があるので、目立たない箇所で事前チェックにてご確認後にシミ抜きされることをお勧めします
 

5,準備するもの

・酸素系漂白剤 粉末タイプ(成分:過炭酸ナトリウム)

         

   
・酸素系漂白剤 液体タイプ(成分:過酸化水素水)

・お湯(50~60℃)・使わなくなったタオル・小皿・歯ブラシ
    ゴム手袋(敏感肌の方は必ずご使用ください)
 

6,「シミ」の確認

今回は、Yシャツとトレーナーに付けた食べこぼしの「シミ」を抜きます
ケース1
Yシャツの袖に付けた「シミ」(水溶性のシミ)

 

「シミ」を拡大

  

 

7,「シミ」を抜く

(1)「シミの裏側にタオルを当てる」

  

  
(2) 粉末の漂白剤を小皿に適量取る

 
 
(3) 粉末の漂白剤に少量のお湯(50~60℃)を注ぎ粉末漂白剤の水溶液を作ります
(発泡に注意してください)
作成した粉末漂白剤の水溶液は、時間経過に伴なって効力が低下します
(15分程度)

  

(4) 粉末漂白剤の水溶液を歯ブラシを使って「シミ」に付けて上から叩く

 

(5) 2~3回繰り返し「シミ」が薄くなったら液体漂白剤をキャップに取り「シミ」に付けて同じように上から叩く。「シミ」が抜けるまで繰り返す (「シミ」はタオルに吸収されます)

 

(6)「シミ」が抜けたら歯ブラシを使って水で濯いで終了。ここまで抜ければあとは通常洗濯で分からなくなります

 

ケース2
トレーナーの胸元に付けた「シミ」(油脂性のシミ)

 

「シミ」を拡大

 
(7)「シミ」の裏側にタオルを当て 粉末漂白剤の水溶液を歯ブラシを使って「シミ」に付けて上から叩く

 

(8) 2~3回繰り返し「シミ」が薄くなったら液体漂白剤をキャップに取り「シミ」に付けて同じように上から叩く。「シミ」が抜けるまで繰り返す (「シミ」はタオルに吸収されます)

 

(9)「シミ」が抜けたら歯ブラシを使って水で濯いで終了。ここまで抜ければあとは通常洗濯で分からなくなります

 

「シミ」が抜けたら通常通り洗濯をして終了です。
  
今回は、粉末漂白剤と液体漂白剤 (共に酸素系) を併用した活性酸素 (スパーオキシドアニオン)による漂白シミ抜き手法のご紹介でした
  
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<作成・編集>
アンボメー株式会社
クリーニング師・繊維製品品質管理士(TES)
芝田 豊治
  

<記事監修>
アンボメー株式会社
代表取締役 CEO
 片岡 友美